ロッドカスタムあれこれー飾り巻き(トリム)編

終盤を迎えた2016年シーズン。

最後の連休で釣りに行かれてる方も多いと思います。

私もと言いたいところですが、ぜんぜん行けず釣りネタが無いので、今回はロッドの飾り巻き(トリム)について書いていきます。

カスタムでのご注文の参考にしていただければと思います。

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飾り巻き(トリム)とは、上の写真でいうところの細い金色の部分を指します。

メインとなるのはガイド部のスレッドで、トリムはアクセントとしてロッドのバランスを整える名脇役のような存在ですが、色の組み合わせや形次第ではメインにもなるしロッドの印象もガラッと変わります。

カムパネラのグラファイトロッドの多くは、写真のようにフェルール部とグリップ巻き上げ上部に細いトリムが入っております。

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1色だけじゃなく、2色つかうこともできます。

<標準搭載モデル:エメラルドウォーターシリーズ

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次は、螺旋状のスパイラルラップ。

形が変わってくると、トリムも目立ってきます。

<標準搭載モデル:UDAグラファイトモデル

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スパイラルラップをグリップ巻き上げに組み込んでみました。

なかなか凝った仕上がりになります。

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細いトリムを細かく刻むこともできます。

ビルダーそれぞれ刻む間隔や、色、本数がオリジナルだったりするので、シグネチャーラップと呼ばれることもあります。

メインのガイド部スレッドと同色で入れてもカッコイイですし、カラフルにしても遊び心があって面白いです。

<標準搭載モデル:UDAモダレートスローシリーズ

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次は、フェルール部やグリップ部だけでなく、全てのガイド部にもトリムを入れたフルトリム仕上げ。

ロッド全体に一層と締まりが出てきます。

<標準仕様モデル:バンブーロッド全般>

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そして忘れてはならないのが、この段巻き。

インターミディエイトラップとも呼ばれるこのラッピングは、その昔まだ強力な接着剤が出ていなかった頃、貼り合わせた竹がばらけないように補強としてロッドの先端からグリップの付け根まで細かく巻かれていたもので、古き時代のバンブーロッドによく見られました。

今日では強力な接着剤が普及し、補強の必要がなくなったためにあまり見られなくなりましたが、飾り巻きとして往年の雰囲気を再現することもできます。

もちろん、グラファイトロッドに入れることも可能です。

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こちらは段巻きのアレンジ版。

各ガイドとガイドの中間点に細く入れています。

色の組み合わせによっては、西洋式のロッドの中に和竿のような雰囲気も醸し出せます。

ちなみに写真のロッドは、ブランクカラーをバンブーロッドに近い色(ストロー)に染めたグラファイトロッドです。

 

トリムというややマニアックな部分を長々と書いてしまいましたが、いかがでしたでしょうか?

どうしても引き立て役のイメージが強いかもしれませんが、ロッドの印象を決定づける重要な役割をもっているので、ぜひ注目してあげてください。

また何かのタイミングで、ロッドカスタムについて書いてみようと思います。

次は、どこに注目しようかな?…..

 

弊社ホームページに出ているカスタム項目以外にも、いろいろとカスタムが可能です。

各種ご要望や詳細、オプション料金の有無など、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

またホームページからのご注文の際、備考欄にご要望をお書きいただければ、ご対応させていただきます。

よろしくお願いいたします。

 

 

(仁平)

 

 

 

 

 

 

 

ロッドデザインのお話

熊本地震により震災にあわれた方々が一刻も早く平穏な時がきますようお祈りしています。私たちも5年前に多くの皆様から義援金や励ましを頂いたことを思い出しております。微力ながら今の私に出来ることをさせていただきたいと思います。
さて本日はロッドのデザインの話です。
私は昔、マッキーズという老舗ロッドメーカーでロッドビルディングの勉強をしに通わせていただいたことがありました。ロッドのラッピングデザインと言うものを教わりました。ですから私のグラファイトロッドのデザインはすべてマッキーズの流れを汲むものといえます。
実はフライフィッシングと言うものはすべてヨーロッパの産業革命以後の工業の発達とともに広がったもので、同時に当時の工業デザインの様式を現代も色濃く残しています。左右対称な幾何学的なものが多いのも、当時のアールデコなどからの影響と感じます。ですからフライの道具においてはこういうデザインに安心するのです。リールもほとんどが左右対称だし、ロッドのシグネチャーラップなども左右対称でしょう。逆に言うと左右非対称なものはなんとなく落ち着かず、はっきり言って売りにくいデザインなのです。

たとえばマッキーズのスライトというモデルはストリッピングガイドのラップが色違いでおやっと思うかもしれませんが、実はこれグリップの巻上げと同色で上下で囲んでいるデザインなのです。デザインにも裏づけと理由があり、闇雲に思いつきのデザインでかっこいいとは締めくくれないのです。経験と感性がものを言うと思います。

つい先日、経験を重ねてきた若いスタッフが、秀逸なラッピングデザインのロッドを仕上げてきました。感受性が成熟すると感性に変わるのだなと思えた瞬間でしたねぇ。石川

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先週、盛岡のS君が三陸沿岸の河川で釣り上げた51cmのサクラマス。ローウォーターフックに巻いたオリジナルフライとのこと。おめでとう。次は俺だ!

バンブーロッドキャスティング

昨日は久しぶりに盛岡の友人たちと飲みました。20年ほどの付き合いになるけど皆、裏表の無い性格で気持ちの良い連中です。こんな彼らと飲む酒は楽しい。今回はカムパネラのバンブーロッドを振ってみたいというので、デモロッドを持ち帰って振ってもらった。彼らのキャスティングは上手く、#4なら普通にフルラインを出すし、スペイキャスティングなら私より飛ばす。しかも左に持ち替えて。しかしフライ歴20年の彼らもバンブーを振る機会があまりなかったらしい。今日はカムパネラのバンブーをかなり気に入ってもらったけど、しばらくラインのスラックが消えず悪戦苦闘していたようだ。グラファイトに比べティップが重く、ティップのリバウンドが大きい。これを押さえ込めればバンブーロッドは自在に操ることが出来る・・・。なんて大げさだけどおそらく勘のいい人はすぐにマスターできる範疇。これはグラスロッドでも起き易いのですがグラスは素材のやわらかさから来るもの。バンブーの弾性はグラスよりカーボンに近いから重さからくるものです。似ているようで実は質が違う。これはシュートの際肘を上げてロッドを押し込んでやると、かなりのタイトループを作ることも可能です。世の中に良いロッドや悪いロッドはないというのが私の持論です。いかにその道具の持つ性能を引き出すかだと思います。ロッドに限らずですね。是非皆さんもバンブーに挑戦して欲しい。新しい世界が広がリますよきっと。石川

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イワナは癒されますねぇ。さて解禁まであと一ヶ月をきった・・・。